障害年金と労災保険の関係

業務上の災害によりケガや病気になった場合、労働者災害補償保険法(労災)という法律を根拠に休業中の補償や障害の補償また遺族補償などが支払われます。障害年金も病気やケガが原因となって支払われるものですが、ではそれらは両方同時に受け取れるのでしょうか。

同一傷病(同じ病気やケガ)により、労災と障害厚生年金(2級以上で障害基礎もある場合はそちらも)の両方もしくはどちらかが受給できる場合、併給(両方受け取れる)できますが、労災の方が減額されます(12%~27%の間で)。余談ですが、傷病手当金と障害厚生年金(2級以上で障害基礎もある場合はそちらも)の関係は併給ができず、同じ期間内で同一傷病で傷病手当金を先に受け取って後から障害年金の受給権が発生した場合、すでに受給した傷病手当金と障害厚生年金との差額は返さなければなりません。障害基礎年金のみの場合は傷病手当金と両方受給できます。

 

ちなみに・・・

障害年金側が初診日が20歳前の障害基礎年金(無拠出の障害基礎年金)である場合には、労災が受給できるときは例外的に障害年金が支給停止となり労災側が全額支給となります。

また障害年金と労災の受給根拠となるケガや病気が別傷病である場合は、両方受給できます。ただし、この場合も障害年金側が20歳前初診日の無拠出の障害基礎年金である場合には、障害年金は支給停止となります。

 

その他、

労災保険が障害等級8級~14級まで(障害(補償)一時金)のときには、障害年金とは調整がかからず全額支給。

障害厚生年金の障害手当金(一時金)は、その傷病の治癒日(症状固定日)において同一傷病で労災の受給権をもっているときは、その労災の給付を実際に受けてなかったとしても支給されない。

老齢厚生年金や遺族厚生年金など他の厚生年金の受給権を持っている場合は、障害手当金は受給できない。

 

などの細かいルールがあります。