平成29年9月1日より障害年金の「差引認定」の基準が改正

厚生労働省は8月10日、障害年金の障害認定基準の一部改正通知(年管発0810第1号)を発出した。「差引認定」の基準改正を9月1日に実施する。

差引認定とは、身体の同一部位に新たに障害が加わったときの障害の程度を認定する方法を言う。厚労省がこれまでの認定事例を分析したところ、一部の事例においては差引認定後の障害年金の等級が、実際の障害の状態に相当する等級よりも低くなることが確認された。この結果を踏まえ、過去の認定事例にあてはめたときに、原則として差引認定後に見込まれる障害年金の等級と、実際の障害の状態に相当する等級が同じ等級となるよう、障害年金の障害認定基準の一部を改正し、平成29年9月1日から適用する。なお、診断書様式は変更しない。

 

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障害年金では身体の同一部位に元々障害があったとき、例えば右手(腕)を例にすると、元々脳出血などによりマヒ等があったとして、さらに事故などにより同じく右手(腕)に新たな障害が残った場合、この新たな障害の認定をするときに、従前の病気による症状(脳出血によりでていたマヒ等)がもたらす日常生活能力の低下の割合が差し引かれて認定されます。

そのことによって実際の事故による障害の状態よりも軽く認定されてしまうことがありました。今回の改正ではそれを改めて、従前の症状による日常生活能力の低下率を差し引いても、本来の事故による障害の状態以上は軽い等級にはしない。ということに変わりました。

実務上でもなかなか出会うことがなくレアなケースであると思います。わかりにくい説明で申し訳ありませんが、ですが請求者にとってはプラスなことには間違いはないと思います。