Ⅰ型糖尿病の障害基礎年金支給停止問題

Ⅰ型糖尿病(幼少期に発症することが多いため小児糖尿病とも呼ばれます)は、生活習慣病でも、先天性の病気でもありません。

Ⅰ型糖尿病では、自分の体内でインスリンを作ることができなくなってしまいます。血液中のインスリンが著しく不足すると、糖尿病性ケトアシドーシスという状態になります(高血糖、高ケトン血症、代謝性アシドーシスなどの症状が特徴です)。数日間から数時間で多尿・嘔吐・腹痛などの症状が現れ、進行すると昏睡や意識障害をきたし、死亡する場合もあります。

型糖尿病では、移植を受けるか血糖測定をしながら、生涯にわたって毎日数回のインスリン自己注射またはポンプによる注射を続ける以外に治療法はなく、糖尿病特有の合併症にもつながります。糖尿病患者の99%を占めるⅡ型(成人型)糖尿病とは原因も治療の考え方も異なります。

腎臓の認定基準は、人工透析をしている場合等を除くと、下記の通り検査数値と一般状態区分(日常生活にどれほど支障を来しているのか)によって明確に定められています。

→http://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/ninteikijun/20140604.files/3-1-12.pdf

ニュースや新聞報道等を観ていると今問題になっているのは、検査数値が変わっておらず、前回の更新からまったく病状の変化もないのも関わらず、級落ち・支給停止というケースです。

今、支給停止になってしまった方々が、原告団を結成し、国を相手取り集団訴訟を起こされています。

このニュースに触れ、もし自分の元にこのケースに当てはまる方が相談に来られたとしたら、自分としてはどこまで争えるだろうか。と考えさせられました。

元々障害年金の認定審査過程は、施行規則上の基準は示されてはいるものの、その実は全く不透明であり。どのような判断でその認定が下されたのか、伺い知れません。そのことはもうずっと前から指摘されていますが、未だ何も変わっていません。

今回の訴訟を機に、少しでも審査過程の透明化が進むことと、今回の原告団の方々が再び適正に障害年金を受給されるようになられることを願いながら、今回の訴訟の行方を見守ってゆきたいと思います。